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公簿売買と実測売買

不動産を購入する際に気を付けることについて。

今回は主に土地や、戸建に関する知識です。


不動産の購入


もし不動産を購入する際、どういった点を注目しますか?

場所や地形はもちろんですが、全ての人が見るのは『値段』でしょう。


「表示されている価格で購入できる」と普通は思うかもしれません。

大きくは間違ってないのですが、この予備知識を知っておかないと

後々後悔するかもしれません。


金額が変わる要因の一つに『実測売買』と『公簿売買』があります。

今回はその説明をします。


そもそも不動産を購入する際には『不動産がどこからどこまで』なのかを把握する

必要があり、それを確定させるために『測量』という業務を行います。


一般の住宅地だとイメージしずらいかもしれませんが、例えば以下のような土地


あなたに売る土地は

ココからココね♪

ほら、ちょっと

でっぱってる処から

スタートだよ。



・・・いかがでしょうか?・・・いや、どこだよ!! ってなりますよね。

上の例は分かりやすいように多少オーバーなのですが、中には 

”お隣が少し越境してる” とか ”当初より少し敷地が少ない”とかはあったりします。

なので測量士さんに頼んで土地の境界線を決めてもらうんですね。

これで売る人も買う人も”どこからどこまで”が分かるようになるんですね。


マンションだったら特に必要は無いですが、土地は境界がずれていたり昔からの取り決めで他人の敷地を利用したりしているケースが多々あります。注意しましょう。


補足ですが、戸建を売買する際にも土地がどこからどこまでなのかを測量します。

たまに越境している場合もあります。古い住宅だと多いです。

そういう時はちゃんとお隣さんと協議しておいた方がいいでしょうね。


実測売買と公簿売買


不動産を購入する際に測量して、”自分がどれくらいの面積の不動産を購入するか”

が分かりました。そこからが次の問題。その次の問題に行く前に、売買の流れを

押さえておくといいかもしれません。売買は基本的に下記の流れで進んでいきます。


  1. 契約

  2. 双方が決済に向けての準備


    (買主:ローンの準備等、売主:測量や権利清算等)

  3. 決済・引渡し


まず最初のステップとして契約をします。そのための契約書も作成しなければいけません。その契約書を双方が読み合わせ、この取引の条件を確認しあい納得の上でその後の手続きを進めていきます。


ここで覚えていてほしいのは『測量は契約後に行う』という事。


契約書の中には様々な項目が記載されますが、もちろん取引する土地の内容も記入します。当然土地の面積も記載するのですが、まだ測量をしていないので正確な面積は不明のまま、とりあえずの土地の大きさを参考に契約書を作成していきます。

参考にする数値は”登記簿”といって、簡単に言うと国が把握している土地情報です。


土地の面積に関しては、この登記簿は間違っていることも多いのですが

”とりあえず”この面積を参考に契約書を作成します。


少し寄り道しましたが”次の問題”に移りましょう。こうして”正確な面積は不明だが”契約は進んでいきます。契約を行ってから測量をするので、後追いで測量して正確な面積が確定するのですが、その際にでた実際の面積と契約書で記入した面積と差があった場合の処置を先に決めておきます。


この際に差分を精算するのが『実測売買』で、清算しないのが『公簿売買』

と言います。


公簿売買


実測売買とは、その名の通り『面積を測って差が出たらその分を精算する』ものです。

これはイメージしやすいかもしれないですね。


実測売買に対し公簿売買は”登記簿の内容で取引しよう”という売買。

『差額が出ても金額が変わらないよ』っていう売買になります。


公簿売買はなんとなくメリットが分かりずらいかもしれません。

「なんであいまいなままで契約するの?」と思われるかもしれません。

ここで一つ例を挙げてみましょう。


あなたが坪10万円、100坪で1000万円の土地を契約するとします。

この際、実測売買での契約にしたとしましょう。


後の測量で、土地は実は120坪ありました。

どうやら隣の敷地の所有者が越境していたらしく20坪は隣地に

使われていますが自分のものです。後々は返してもらうか、

その料金を支払ってもらいます。


さてここからが問題。実測売買での契約となっているので、増えた分の面積

20坪 × 10万円 = 200万円を支払わなければいけません。

当然私はそんなお金は持ってないので、契約破棄。

最悪 ”損害金” を支払う羽目になります。


いずれにしても両者のいずれかにデメリットがある売買です。

現れるのは測量完了後。例えば契約書では100坪だったのに実際は120坪

だった場合、もしこれが1000万円の売買だったならば

1坪当たり10万円で購入したことになります。


ですが実際は120坪だったので坪当たり約83,000円で購入したことになります。

買主がそれだけ割安で買えたということですね。逆に測量の結果80坪だった場合

125,000円で購入してしまったことになるので売主が得をします。

実際はこの規模でここまでのずれはそうそうないでしょうが。


ちなみに「じゃあ契約する前に測量やればいいじゃん」という意見も出てきそうです。確かに契約をする前に測量する方もいらっしゃいます。ですが色々デメリットがあったりします。(詳しくはいつか他の記事で…)また測量にもお金がかかりますので測量しない、なんてこともありますよ。

私は強くお願いしますけどね!!!

トラブル嫌だし!!!


つまりどういう事?


なかなか理解が難しいので例を一つ。

あなたがスーパーへりんごを買いに行ったとします。

そのリンゴを買うには2種類の買い方がありました。


  1. リンゴを箱ごと購入する5千円のパターン

  2. リンゴの隣に”はかり”がおいてあり、グラム当たり200円のパターン


なんとなくイメージがつきますかね?①は公簿売買、②は実測売買となります。


  1. リンゴを箱ごと購入する5千円のパターン … 公簿売買

  2. リンゴの隣に”はかり”がおいてあり、グラム当たり200円のパターン … 実測売買


箱ごと買う場合は”見たまま、箱にある分!”を買う場合が多いですよね。

分かりやすく箱で買う場合を書いてますが、”1個100円”とかも原理は同じです。


実測売買はしっかり測って、重さの分だけ料金が発生します。


まとめ


とりあえず測量はしておこう!!

身もふたもないですけどね。過去にはかなり地積(土地の広さ)が違ってトラブルになったこともありました。トラブルを避けるためにも測量はいれましょう。

そして、自身の契約(特に土地の契約)がどちらなのか、注意して進めましょう。

基本的にこれでトラブルになるのは土地のみの売買なので、建物付きの売買は考えずらいのですが建物の売買もしっかり測量しましょう!!(理由はまたいつか)


これは余談なのですが、私は実際に見て揉めそうだと思ったら先に測量させます。

例として面積や接道、越境物など色んなパターンがありますが

その分の費用は売主が負担するので、しっかり説明する。もしご納得いただけないなら

私は扱わない、といった処置をとります。利益よりもトラブルの方がしんどいですからね。


およみいただきありがとうございました。


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