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不動産仲介業のお仕事

  • saeki424japan
  • 2022年3月13日
  • 読了時間: 12分

不動産を購入することは、多くの方にとって一大イベントかと思います。

今ではネットも発達してきたため、色んな情報が手に入りますし

絶対に損はしたくないため、めちゃくちゃ調べますよね。

中には業者よりも不動産に詳しいお客様もいるので、嬉しいような悲しいような(;^ω^)


最近よく話題になっているのが『仲介手数料無料』

これは不動産を仲介するときにもらう報酬である『仲介手数料』を無料にする

というきっと凄まじい企業努力がある試みなんでしょうね。。


今日記事にするのは不動産の仲介業務に関して

『対価として不動産屋へ仲介手数料を払うんだけど

そもそも不動産屋はどんなことをしてくれているの?』

といった記事。


この記事では


  • そもそも不動産仲介って何をするの?何をしてくれるの?


といったことを書いていきます。一般の方というよりはこれから不動産売買の

仲介業に飛び込んでいく新人の方々へ一番楽しい!だけど緊張する契約から決済まで

順序を解説していこうと思います。私もまとめているうちに

「あ~・・・こんなこともやってるな~」とか頭の整理をしたいと思いました。


では早速どうぞ。


プロローグ:調査


契約に入る前の段階。もちろんその前に営業とかを経てお客様が不動産購入を

決めるのですが。晴れて契約となったときに、その契約の前準備と思ってください。


お客様が不動産の購入を決めてからは、以下のように物事が流れていきます。

こちらは購入者サイド。


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購入者は契約の前に『相談』『不動産内覧』などがあります。


続いては売却者サイド。



売却する方と購入する方とではスタートが若干違いますね。

買主は最初の『不動産の契約』から。売主は第2項目の『依頼・契約』

から両者を交えた不動産の取引が開始します。


そしてその契約の前に不動産会社が行うのは『調査』

買主が購入する不動産について調査していきます。


この調査をもとに、次に行う『契約書の作成』に進みますのでしっかり調査しましょう。


ここでは法令に関する調査(都市計画法や建築基準法)

地域に関する法律(市の条例など)ライフラインの調査(上下水道や電気、ガス)

周辺環境の調査(場合によっては聞き込みなど)特有の事項

(崖の近くならそれに関する法律、川の近くならそれに関する法律など)


を調査します。これらは役所をはじめ関係庁舎を周って調べます。

調査の種類は多岐にわたるため、その都度内容も変わってきます。


続いて現地。現地で調べることも多いです。


例えば建物の場合は目視で確認できるところは確認します。

あからさまに雨漏れがあったりすると、後で責任問題にもなるので気を引き締めましょう。

流石に屋根の上とか床下とか(見れればいいんですが)は確認が難しいので

見ない場合も多いですが、必要とあれば専門の業者に確認させましょう。


隣の土地は越境してないか、設備はどういったものが付いてるか

境界プレート(隣地との境界を示すもの)が打たれてあるか(そしてそれが正しいのか)

といった事項も現地で調査します。


役所、現地だけではありません。契約に向けて”登記簿謄本”、”公図”も使って調査します。

(登記簿謄本とは簡単に言うと国が管理している不動産情報の事。)


売却される方への本人確認、権利をしっかり持っているか

権利書(不動産の権利を証明する書類)を持っているか、などなど。


このように契約書を作成するために、用意するところから始まります。

まずは『調査』 契約書作成に向けて準備する


① 契約書の作成、説明


調査で調べた項目をもとに契約書を作成していきます。

この『契約書作成』や『調査』に関しては資格は必要ありません。

なので新人の方が上司と一緒に調べたり、書類を作成したりします。


ある程度のひな形があるので、一から作らなくても大丈夫です。

ただ、該当物件に関する特殊な例を書き漏らさないように注意しましょう。

(例えば当該土地は越境がある、近くに嫌悪施設がある、心理的瑕疵がある、など)


ここで作成するのが『重要事項説明書』と『売買契約書』場合によっては

『補足資料』なども作成します。


その後は作ったものを契約者に『説明』していきます。


『重要事項説明書』に関しては、宅建取引士といった、有資格者が説明しなければ

いけません。(『売買契約書』に関しては誰でも説明できます。内容は難しいですが。)

ここは『できる、できない』が分かれます。もし自身が資格を持ってない場合

または、まだ不動産業としての経験が浅い場合(私も最初はコチラでした。)

は重説(重要事項説明の略)だけ有資格者にお願いして、契約書を説明する形になります。


ちなみに順番は重説→契約書が一般的だと思います。

重説と契約書は重複していることが多いので『先ほどの説明と重なる部分も

多いんですが~・・・』とか言って説明を開始したりしてました。


余談ですが、重説を有資格者に頼むときに、先の調査が甘いと詰められます。

『これってどういう事?』とか聞かれて答えれないともう一回調査させられるか

すっごく怒られるので注意しましょう。


次に重要事項説明書、売買契約書の『作成』と『説明』

お客様にも分かりやすいように説明しましょう。


② 銀行本審査開始


ここからの作業は順番はつけてますが、②~④はほぼ同時進行で進んでいきます


やることは取引の成立に向けて色々手配したり確認したりします。

なんとなく工場のライン作業とかオーケストラの指揮者に似てます。

各関係者をみながら、確認し、無事決済までまとめます。

ハッキリ言って忙しいですし、一つでもミスすると取引が無くなる可能性も

あるのでしっかり集中してこなさなければなりません。


まずは銀行の本審査開始。銀行へ行ってもらうか、事務所にあらかじめ置いてある

本審査用の書類を記入させて銀行へ審査をかけます。

銀行に買主を審査させなければなりません。


正直この作業が一番時間がかかるので、早めにやっておかないとまずいです。

契約書にはローン特約に関することも定めていますので、忘れないようにしましょう。

(ローン特約も前にまとめてあるので、良かったら見てね)


買主本人が銀行に行くパターンもありますが、不動産屋としてはしっかり審査先の

銀行員の担当の名前はおさえて、密に連絡を取り合いましょう。

具体的には申込日に挨拶。2~3週間後辺りで「進捗どうですか~?」と確認する感じ。


特に申込日にファーストコンタクトを取らないと、『買主が本審査に行ってない』

などの問題が発生してしまいます。そうなると当然自分の首も締まっていきます。

契約は破綻です。最悪の場合は買主側にも責任問題が発生し、手付没収。違約金。


これらの事が起こらないようにしましょう。少し非情かもしれませんが

買主から「大丈夫!行ってきたよ!」と言われても確認しましょう。

挨拶もかねての連絡なのですが角が立つようなら銀行側に

「書類の不備などはありませんでしたか?何かあればご連絡ください。」

とでも言えばそこまで悪くは思わないでしょう。

ローン特約も頭に入れて。逆算しながらしっかり進めましょう。


銀行での『本審査』買主に一任する場合もありますが、その場合でもしっかり

状況を把握しましょう。買主任せにするとトラブルのもとになります。


③ 土地測量


大阪ではほぼやらなかったのですが、沖縄では当然のようにやるので挙げました。

こちらもなかなか時間がかかるので早めにやりましょう。


取引の対象となる物件を測量します。(測量について詳しくはコチラ


順序として【測量士に見積もりを出してもらう】

 → 【売主に見積額を了承してもらい測量開始】

 → 【測量終了。成果品を不動産屋に納品】

 → 【成果品をもって決済へ。成果品ごと買主に渡す】


流れはこんな感じです。


『売主に見積もり了承』と書いたのですが、うるま市では基本売主が負担するので

このように書きました。そこは臨機応変に。


だいたい見積依頼してから完了まで1~1ヶ月半(立会含む)なので

決済には間に合わないパターンもあります。


繁忙期によっても進み具合が変わりますので、しっかりコントロールしましょう。


『測量』土地売買の時がメインですが、住宅を売買する場合でも一応しておいた方が

いいと思います。引き渡してから越境問題があっても面倒ですし・・・

(実はそもそもそういった問題は調査の段階で気づいておけってのもある。

見ればわかるやつはね。)


④ 司法書士への見積もり


こちらは所有権移転をする際に必要です。決済当日に司法書士の方が取引に同席し

その足で所有権移転の手続きを行います。それの予約です。


測量のように流れを説明すると


【司法書士に見積依頼】

 → 【決済日の設定】

 → 【司法書士と一緒に決済へ】


といった感じです。


見積もりを依頼してから決済日までは会うことはありません。


注意しておきたいのは『当日必要な書類の確認』でしょうか。

決済では売主様に『権利書』をもってきていただく必要があり、それが無いなら

司法書士が専用の書類を用意しなければなりません。

しっかり売主に確認しておきましょう。


『権利書』に関しては売主が「あるよ!」と言っても違う場合もあります。

私の時はある!と言われてみてみたら登記簿謄本でしたw


『登記識別情報通知書』だったりと呼び方が違うのもあるので

(どちらかというと登記済書のほうが古い)新人の方々はしっかり確認して

場合によっては写真なり現物をコピーするなりして司法書士に見せましょう。

当然ですが中身もちゃんと確認してくださいね。


また、権利も確認しながら『誰が負担するか』も押さえておきます。

例えば、沖縄県うるま市では所有権移転登記は『買主負担』が通常ですが

別の地域では『折半』だったりします。その地域によって慣例が違いますね。

また、不動産に抵当権が付いている場合は『売主負担』で解除する必要があります。


これを見積もりの段階で司法書士に伝えておかないと、一緒くたになった見積もりが

届いて自分で計算したりしないといけないので、注意しましょう。


『司法書士への依頼』余裕をもって決済の予定を組みましょう。

急に司法書士に依頼しても断られたりします。 


⑤ 銀行の予約


そろそろ銀行の審査が下りていることでしょう。

本審査を無事に終えたら、決済の準備をします。


まずは日程を決めて銀行を予約します。

基本的に買主のローンが下りた銀行で決済を行います。


その日程を売主、買主、司法書士に連絡して決済日を確定させます。


ちなみに決済は午前中じゃないとダメです。全地域かどうかは分かりませんが。


決済後に司法書士が必要書類をもって所有権移転の手続きをしに法務局へ向かいます。


その手続きがたしか14時(?)ぐらいまでにしないといけないので

それまでに全工程が終わるようにしなければなりません。(間違ってたらすいません。)


私の時も一番遅くて11時決済スタートとかでした。


当然ですが、同じ理由で土日もできません

売主、買主にはどうにか都合をつけてもらいましょう。

大体、銀行から本審査通過の通知をいただいて、その流れで話します。

買主に通知されるパターンもあるので、調整しましょう。


⑥ 決済


いよいよ最終項目です。銀行に関係者が集まり、お金の支払いとともに

不動産を譲渡します。


大体1時間ぐらいで終わります。特にやることもなく、ほとんど司法書士の書類確認

及び本人確認作業と、確認を終えた司法書士の許可をもらって銀行が融資実行をします。


少し時間が経って、買主の口座に不動産を買うお金が振り込まれ

売主に支払いをして終了です。後は先に述べたように司法書士が法務局へ向かい

1週間後ぐらいには買主のもとへ『登記識別情報通知書』が届きます。


融資実行されたときに、売主にお金を支払うために振込用紙を記入します。

忘れてはいけないのは自社の口座情報です。現金で仲介手数料をもらうつもりなら

いいですがそうでないなら口座にしっかり振り込ませましょう。

そして領収書もしっかり持参しましょう。

もちろん決済終了後に事務所でやり取りするならかまいませんが・・・。


買主と売主が同じ銀行だった場合、両社からその場でいただけそうですが

違う場合はその場で受け取れない場合があります。


その時は購入金額から一部充当することになるのですが注意してください。


報酬額が同額ならまだましですが、『売主は付き合いがあるから割り引いてる』

とかだと厄介です。別に違法なわけではなく、買主が気づかなければセーフですが

「なんで向こうだけ割り引くんだよ!」とかになると面倒ですね。


場所を変えて売主のお金を受け取った銀行までついていく必要もあるかもしれません。

決済は意外といろいろなハプニングが起こります。

こればっかりは場数だと思いますが。先輩にいろいろ聞いてみましょう。


不動産業界に慣れる


以上契約から決済にについてまとめてきましたが、ここで悩ましい点が一つ。


不動産業者の契約件数について。


もちろんかなり高額なものを取り扱っているので、大手ならまだしも小さい企業なら

契約は月に何十件もある訳ではありません。

(仮にあったなら絶対パンクする自信がありますw)


恐らく平均値以下の私の能力なら、月に3~5件の契約案件を抱えていたら

へとへとになるでしょう。最初の頃は私は数カ月に1件しか契約は取れなかったです。


最初は契約も取れず苦戦することから、なかなか決済までの流れを覚えられません。

(これは私が初めて不動産売買に携わったときの感想ですし、前職で部下への

指導をしていた時にも言われたことです。)


一番いいと思うのは”上司に付き添って契約の流れを見る事”

なるべく調査や決済にはついていき、契約について行っていることは質問しましょう。

自分では考えつかない”つまずきポイント”を上司はアイディアで補っていたりします。


不動産の契約においてミスはかなり命取りなので、面倒くさく思われそうでも

『ミスをするとお客様に大きな迷惑がかかる』という事を肝に銘じて

しっかり確認しましょう。そしてしっかり覚えましょうw


まとめ


ここまでの作業を図にしてみました。


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全てを網羅したわけではありませんが、不動産仲介業者はこういった

仕事を経て仲介手数料をいただいております。


契約から決済まで約1ヶ月~1ヶ月半。全てが同時進行で進んでいくので

しっかりスケジュール管理をしないといけません。


そしてお客様は出来て当たり前だと思っています。

それでもミスをすると大きな被害を被ります。

これで無料なんですから大したもんですよねw


また契約だけ行うわけではなく、他の営業業務などもこなしていきます。

大手ともなれば担当部門があるのでしょうが、小さい会社では契約から決済から

クレーム処理まで全て一人で行います。ポスティングもするでしょう。


その中でもしっかりお客様の事を考え、報酬を頂くにふさわしい仕事をできるよう

私も日々精進したいと思います。


お読みいただきありがとうございました。

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